整骨院と整体院の違いについて患者様がその違いが分からないというよく耳にするのでまとめてみました
この業界の人たちにとっては整骨院と整体院の違いというのは誰でも分かる簡単なことですが、一般の人たちにとってはその違いが分かりにくいのが実情でしょう。
整体院という名称以外にもカイロプラクティック、もみほぐし、リラクゼーションなど様々な名称が見受けられるので余計に難しく感じることでしょう。
それでは整骨院(接骨院)の違いについてご説明します。
【名称】
整骨院、接骨院、ほねつぎは名称が異なるだけで柔道整復師という国家資格を持った者が開設できる施術所の名称で全く同じものです。
したがって整骨院、接骨院、ほねつぎという名称を使っている場合は厚生労働大臣が認可する柔道整復師という国家資格を有する者が開設している施術所ということになります。
言い換えるとこの国家資格がないと整骨院、接骨院、ほねつぎ(以下、整骨院という)の名称は使えません。
【資格】
・整骨院は柔道整復師を養成するため専門学校(3年制)または大学(4年制)を卒業し柔道整復師の国家試験に合格し厚生労働大臣の認可を受けた者が保健所に登録し開院できる施術所です。
・いっぽう整体院、カイロプラクティックなど(以下、整体院という)は民間のライセンスで国家資格ではありません。
【健康保険適用】
・整骨院では骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れ)について健康保険が使えます。
骨折、脱臼は応急措置として認められていますが、その後の施術(後療)は医師の同意が必要です。
当院では整形外科、神経内科の先生にレントゲンやMRIの診断など連携をとらせていただいております。
・整体院は健康保険を使えません。
自費診療となるので料金設定は様々です。
整体院は整骨院のように保険適用の料金に縛られることなく自由に料金を設定できます。
【交通事故(ムチ打ちなど)】
・整骨院は自賠責保険を使って交通事故の施術をすることが認められています。
患者様の施術費用は0円で費用負担は整骨院と保険会社で行います。
・整体院は交通事故の施術は認められていません。
【労災保険】
・整骨院は仕事中や通勤途中の負傷について労災保険を使って施術が認められています。
患者様の費用負担はありません。
・整体院は労災保険の施術は認められていません。
【新型コロナウィルス感染症対策における休業要請施設】
・国家資格を有する柔道整復師、鍼師、灸師、マッサージ師が開設する施術所は「医療施設」として休業要請対象施設にはなりませんでした。
したがって整骨院は医院、病院、薬局などと同等に日々の生活に必要な施設として国から「医療施設」として認められたことになります。
・柔道整復師、鍼師、灸師、マッサージ師が開設していない整体院は休業要請施設です。
【整体院について】
整体院は骨格矯正、もみほぐし、リラクゼーションなどメインにするスタイルは様々です。
料金については自費となるので整骨院より高めの設定が多いですが、料金に見合う結果が得られればよいので、目的に合った整体院を見つけてください。
【よい院の見つけ方】
とは言え自分に合う院を見つけるのは簡単ではありません。
これは整骨院も整体院も同じです。
一番信頼できるのは知り合いからの口コミです。
ちなみに当院は患者様からのご紹介で来院されるケースが多いのが自慢です。
ネットやSNSの口コミ投稿は院が高評価の投稿をすると見返りがある設定で投稿数や高評価を増やすパターンもあるので評価を鵜吞みにしない方が賢明です。
【骨格矯正】
整体院は骨格矯正をメインにするところも多いかと思います。
当院でも関節をボコボキして骨格矯正してと言われる方もまれにいらっしゃいます。
当院は手技や鍼(はり)で筋肉、筋膜にアプローチを結果としてバランスを調整する整体で姿勢から根本改善し、正しい姿勢に導きます。
当院はボキボキ音を鳴らす整体はしないので、整体が初めての方でも安心してご来院いただけます。
【整骨院と整体院の重複する部分】
整骨院は保険診療がメインとなりますが、保険請求の煩雑さや保険取り扱いの厳しさなどから保険外の自費診療に切り替える院も年々増加しています。
整骨院でも自費診療となれば、骨格矯正、リラクゼーション、もみほぐしなど整体院と重複するケースもでてきます。
これが整骨院と整体院の違いを難解なものにしていると思われます。
自費診療であれば保険の取り扱いに縛られることはないので骨格矯正もリラクゼーション系も可能です。
なので、ぎっくり腰は整骨院とか骨盤矯正は整体院とか一概には言うのは正しくないのです。
整骨院でぎっくり腰を得意にする院もあれば苦手な院もあるのが事実です。
それは整体院でも同じようなことが言えます。
要は整骨院、整体院というくくりではなくその院自体によってアプローチの仕方も結果も様々ということです。
【まとめ】
柔道の創設者である嘉納治五郎先生が講道館を創設したときに指針としたお言葉のひとつに「自他共栄」があります。
互いに敬い助け合ってみんなでよい世の中を作っていきましょうという意味合いです。
整骨院であれ整体院であれ患者様のお役に立てるよう高い志をもってともに頑張っていきたいものです。
医院がそれぞれ違うように整骨院も整体院も内容はそれぞれ違うものです。
自分に合う院を見つけるのはいばらの道かもしれませんが、信頼できる院に巡り合うことを祈るばかりです。