腸脛靭帯炎、シンスプリントⅠ
春になり、気温が上がり運動を始めるのに最適な季節となりました。
健康的な生活を送るためランニングなどの運動をする人もこれからますます増えていくことと思います。
当院でも、私を含めトレイルランニング、フルマラソンなどランニング好きもおります。
あるスポーツ財団の調査によると10年前(2002年)のジョギング、ランニングの実施率は4.8%でした。
新型コロナ感染症の影響もあってか近年下降気味になりましたが、2022年では8.5%と長いスパンでみればランナーは増加傾向にあります。
そして新型コロナ感染症が落ち着いた現在、ランナーはさらに増えることでしょう。
ランニング初心者やランニングの強度が高いランナーは膝を中心に下肢に様々な障害が発生することが多々あります。
本記事ではランニングによって起きる障害やその概要、簡単なセルフケアについてご紹介していきます。
ランニングによって起きやすい下肢のスポーツ障害
ランニングによって起きやすい障害には以下のようなものがあります。
・腸脛靭帯炎(ランナー膝)
・膝蓋靱帯炎(膝蓋腱炎)
・シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
・疲労骨折
・棚障害
・膝蓋下脂肪体炎
・アキレス腱炎
・足底腱膜炎
など、ランニングでは様々な障害があります。
その中で、代表的な2つについて説明していきます。
1腸脛靭帯炎
【概要】
ランニングや自転車競技、長時間の歩行など膝の屈伸が繰り返されるスポーツは、腿の外側にある腸脛靭帯が大腿骨の外側に出っ張った骨(大腿骨外側顆)と擦れてしまいその結果、骨膜に炎症を引き起こします。
ランニングや自転車競技などのオーバーユースで膝の外側が痛いという方は腸脛靭帯炎が疑われるかもしれません。
オーバーユースで大腿の屈筋が疲労し過ぎると、腸脛靭帯の元となっている大腿筋膜張筋も大腿屈筋の補助筋として通常より活動性が増大し、大きな負荷がかかり腸脛靭帯炎の原因のひとつになることも考えられます。
また、膝がO脚の方は腸脛靭帯炎になりやすいのでより注意が必要です。
【セルフケア】
テニスボールを用意し横向きに寝て、図の水色で塗られた部分にテニスボールを当て痛みの出ない程度で転がしながらマッサージを行います。
痛みが強い場合は、ボールの上にタオルを乗せることで刺激が柔らかくなるのでおすすめです。
またお尻の外側の筋肉が弱くなると腸脛靭帯の負担が大きくなるので、横向きに寝て脚を持ち上げるような運動でお尻の横の筋肉(中殿筋)を鍛えることも重要です。
2シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
【概要】
ランニングなどオーバーユースによって起きる代表的な障害であり、図の四角で囲った部位、下腿(中央〜遠位1/3)の脛骨の後内側に痛みが生じます。
多くは後脛骨筋、長趾屈筋、ヒラメ筋などの筋肉の付着部に負担がかかり骨膜に微細な炎症が起きることで発症します。
*シンスプリントと疲労骨折は初期には症状が似ているため、注意が必要です。
【セルフケア】
発症の初期で痛みが強い場合にはアイシングなどの炎症を抑える処置が必要です。また四角で囲った部位のマッサージが有効です。
また、足部のアーチ機能低下によっても引き起こされることが多いので、タオルを床に敷き、足の指を使ってタオルを掴むトレーニング(タオルギャザー)で足のアーチ機能を鍛えることやストレッチも効果的です。
まとめ
せっかくランニングを始めても痛みが出てしまい、ランニングを続けることを諦めてしまう人は少なくありません。
そのような状態にならないように当院では患者様の状態によって施術方法を考え、鍼、手技、電気療法、テーピングなどでアプローチし痛みの軽減を行ったり、ストレッチや整体によって姿勢を変化させ、お身体への負担を減らし、痛みを改善していきます。
また当院のスタッフはランニング経験も豊富なので、ランナーだからこそできる走り方の指導、ランニング前後のケア方法などもお気軽にご相談ください。
次の記事では当院で実際に行なっている施術方法などを載せているので参考にしてみてください。
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