坐骨神経痛Ⅰ(梨状筋症候群その①)
Ⅰ 坐骨神経痛の概要
坐骨神経は人体で最も大きく太い神経と言われています。
この坐骨神経が圧迫されたり、炎症によって障害されることにより坐骨神経痛が生じます。
坐骨神経は腰椎、仙椎から始まり、殿部、大腿後面、膝裏へと走行し、その後膝から下は二手に分かれ足底まで走行しています。
その長さ、太さゆえに、神経が圧迫されることも多く腰、殿部、足とあらゆる場所で痛みを引き起こします。症状が重い場合には立っているだけで辛い。数十メートル歩くと足が痺れるなど日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
ある資料では成人の約38%が坐骨神経痛の経験があり約18%が現在も坐骨神経痛の症状があるというデータもあるほど多くの方が悩まされている症状です。
Ⅱ 疼痛部位
痛みの出やすい場所としては圧迫されやすい場所と同じ部位のことが多く、腰部、殿部、太ももの裏、ふくらはぎ、足部と様々な場所で症状が見られます。
Ⅲ 分類
① 腰椎椎間板ヘルニア
② 腰部脊柱管狭窄症
③ 梨状筋症候群
今回は坐骨神経痛の中で③の梨状筋症候群についてご説明します。
Ⅳ 梨状筋症候群とは
梨状筋はお尻の深層にある筋肉です。
坐骨神経は殿部を走行する際に梨状筋の下から出てきます。
そのため、なんらかの原因で梨状筋が硬くなったり、炎症によって腫脹してしまうことによって坐骨神経が圧迫され坐骨神経痛の症状が出現します。
中には坐骨神経が梨状筋を貫通して走行しているタイプもあり、その場合は症状が強く出ることや施術期間が長引くことがあるので注意が必要です。
Ⅴ 梨状筋症候群の疼痛部位
他の坐骨神経痛のように下肢に症状が出ることもありますが、梨状筋症候群は殿部の梨状筋に限局的圧痛が見られるという特徴があります。(お尻の痛いポイントを指で示せる)
Ⅵ 対処法
① ストレッチ
上記の通り梨状筋が硬くなってしまうことで症状が出やすくなります。
そのため梨状筋のストレッチが有効で普段から行うことで梨状筋症候群の予防策となります。
② 座位に注意
長時間座っていることによってお尻の筋肉が圧迫されていることがあります。
長時間座っている事が多い方は時間を見つけ立ち上がったり、柔らかめのクッションでお尻の圧迫を軽減する事が重要です。
ただし、柔らかいクッションは腰に負担がかかることがあるので腰に持病がある方は注意が必要です。
③ 当院の施術法
・ 鍼、トリガーポイントマッサージ、電気療法、整体などで早期改善を目指します。
④ 整形外科、ペインクリニック
先述した坐骨神経が梨状筋を貫通している場合などで難治性の梨状筋症候群は神経ブロック注射など、医療機関の受診をおすすめする場合があります。
Ⅶ まとめ
梨状筋症候群では普段のストレッチとセルフケアで筋肉の柔軟性を保つことが非常に重要です。
当院では鍼やトリガーポイントマッサージなどによって筋肉を刺激し梨状筋による坐骨神経症状の改善を目的に施術していきます。
次の記事では実際に当院では梨状筋症候群対してどのような施術を行い、どのようなストレッチ方法があるのか具体的にお伝えしていますので次回の記事もぜひご覧ください。
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