胸郭出口症候群Ⅱ
胸郭出口症候群Ⅰでは胸郭出口症候群の概要と一般的な対処法について説明しました。
今回は胸郭出口症候群のセルフケアの一例と、実際の当院での施術について説明していきます。
1 セルフケア(ストレッチ)
① 胸の筋肉のストレッチ
・ 概要
胸郭出口症候群で神経と血管が圧迫されやすい部位として脇の前面(胸筋)があります。
胸の筋肉の柔軟性を改善することで神経と血管の圧迫が軽減されるほか、肩が内巻きになり猫背になってしまうことの予防にもなります。
・ やり方
肩と肘を90°の角度で曲げて手を壁につけます。
そのまま図のように腕と身体(胸)の距離を遠ざけるように体を動かすと効果的にストレッチできます。
20-30秒行うと効果的です。
② 首のストレッチ
・概要
神経と血管が圧迫されやすい部位として首も挙げられます。主に斜角筋という筋肉による圧迫が多く、この筋肉をストレッチして症状を改善していきます。
・やり方
鎖骨を押さえながら首を捻りつつ斜め後ろに倒します。
図の赤い丸部分が伸びていれば首の筋肉のストレッチが効果的に行えています。 20-30秒行うと効果的です。
Ⅱ 当院の施術
① 鍼
胸郭出口症候群では図にあるような部位で神経や血管を圧迫していることが多くあります。
そのため、首や肩などの筋肉に鍼治療を行います。
目的としては斜角筋などの柔軟性を改善し、筋肉が硬くなっていることによる神経の圧迫を改善します。
首全体の筋肉の緊張軽減を目的に斜角筋だけでなく僧帽筋などの筋肉にも施術を行うことがあります。
② トリガーポイントマッサージ
胸郭出口症候群などで腕や肩周りに違和感や重だるさがある方にその部位だけではなく首や胸、肩甲骨の周りなどのマッサージを行うことがあります。
これは痛む場所とは違う部位が原因で痛みが出現している部位『トリガーポイント』を施術しています。
特に胸や肩甲骨の間の筋肉などがトリガーポイントとなっていることが多く、問診と検査をしっかりと行い施術していきます。
③ ストレッチ指導
セルフケアの項目でも書かせていただきましたが、胸郭出口症候群の改善や予防にはストレッチを行い、普段の姿勢を改善していくことが重要です。
上記の胸のストレッチや首の筋肉のストレッチを行い姿勢を改善することで、少しでも神経の圧迫による症状を軽減させることが重要です。
④ 姿勢、動作指導
胸郭出口症候群の症状の有無は普段の姿勢も関係してきます。
例えばPC作業をしている方は腰と背もたれの間にクッションを入れることをお勧めします。
それにより骨盤が立ち、胸椎(背骨)がまっすぐになり上半身が前傾姿勢になるため首への負担が軽減されます。
他にも姿勢で気をつけるポイントは様々あり、当院では丁寧な問診を行い日常動作の中での注意点、改善点などをお伝えし、負担の少ない体の使い方の指導も行なっています。
Ⅲ まとめ
胸郭出口症候群は何が原因で症状が出ているのかを見極めて施術していくことが重要となります。
当院は問診や検査を細かく行い、業界歴30年の歴史の中で磨き上げてきた治療技術と知識を生かし鍼灸やトリガーポイントマッサージによる施術のほか、痛みが出る前の予防法や、体に負担の少ない姿勢や動作の指導も行なっております。
胸郭出口症候群やその他の症状でお悩みの際はお気軽にご相談ください。
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