手首の腱鞘炎(ドケルバン病Ⅰ)

パソコン作業、スマホ、お子様の抱っこなどが原因で起きることの多い手首の親指側の腱鞘炎をドケルバン病といいます。

腱鞘とは(図の青い部分)筋肉と骨をつなぐ腱を押さえるバンドのような組織です。

通常、指を動かす際は腱が腱鞘の中でスムーズに動きます。

しかし使いすぎなどによって腱と腱鞘に摩擦が生じ炎症が起きると腱鞘炎になってしまいます。

今回は腱鞘炎の中で最も頻度の高いドケルバン病についてご説明します。

ドケルバン病になりやすい人

一般的に手と指を多く使う人がなりやすいとされています。(PC業務、楽器演奏者、文字を書く仕事、近年はスマホ操作等)

また、妊娠中や出産後の女性、更年期以降の女性も発生しやすいと言われています。

ある医療機関が発表しているデータではドケルバン病の手術件数だけに着目しても50代女性が突出して多く女性ホルモンの低下と密接な関係があると考えられます。

さらに女性が多いのは男性より筋力が弱いことも一因かもしれません。

ドケルバン病の原因

「腱」と「腱鞘」が擦れた結果炎症が起きたものが腱鞘炎です。

つまり指や手首などを酷使することによって腱鞘炎となってしまいます。

ドケルバン病の部位

図のように親指の手の甲側の付け根に痛みや違和感、引っ掛かりなどが発生します。

ドケルバン病の一般的な対処法

1.休養

PC作業が多いかたは手首を置く場所にクッションをおいて負担を減らす。手首を酷使する人はサポーターを装着するなどして患部への負荷を減らすことが重要です。

可能であれば手首や指を使う作業を少しでも減らしましょう。



2.マッサージ

指の筋肉や手首にある腱の多くは前腕から始まっています。

前腕から親指にかけてマッサージを行うことで筋肉の緊張を軽減し、指や手首への負担を軽減します。

次回のドケルバン病Ⅱでは具体的なセルフケアについて紹介します。

3.アイシング

痛み、腫れ、熱感がある場合は患部を冷やします。

4.テーピング

母指から手首までテーピングをすることで患部の負荷を減らし安静を保ち炎症を軽減します。

5.鍼(置き鍼)

母指や前腕のツボやトリガーポイントに刺鍼します。

患部には円皮鍼というシールで貼る置き鍼が持続的に低刺激の鍼の効果を出せるのでおススメです。

まとめ

腱鞘炎やドケルバン病の予防や対策としてはこまめなセルフケアと患部を安静にすることが大切です。

当院では鍼やトリガーポイントマッサージなどによって手首だけではなく前腕の筋肉を施術することによってドケルバン病の痛みの軽減を図っています。

次回のドケルバン病Ⅱでは実際に当院でドケルバン病に対してどのような施術を行い、どのようなセルフケアがあるのか具体的にお伝えしていますので次回の記事もぜひご覧ください。



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