テニス肘(上腕骨外側上顆炎)Ⅰ
肘は橈骨、尺骨、上腕骨の3つの骨で関節が構成され、上腕からの筋肉と指の筋肉などが集まっており非常に負担がかかってしまう場所です。
それゆえに痛みが出現することが多く、重い荷物を持つ方や長時間のPC作業を行う方などは痛みや違和感が頻繁に現れます。
ある医療機関のデータによると肘の外側の痛みで受診した人のうち32%、約1/3の方がPC作業が原因となっているようです。
そのため気がつかないうちになんとなく痛みがある。ということも少なくありません。
1 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは
肘の痛みを分類した際に肘の内側の突起と外側の突起の2つの場所に痛みが出ることが大半を占めます。
その中でも多いのが肘の外側の痛みでこれを上腕骨外側上顆炎といい、かつてはテニスの片手打ちのバックハンドで負荷が大きくかかり発症することが多かったため通称テニス肘と呼ばれています。
テニスなどの運動をきっかけとして発症することもありますが、テニスのバックハンドは両手打ちが主流となり、負荷も少なくなったため近年ではPC作業など長時間指や手を使う人にも多く発症するようになりました。
2 痛む部位、症状
下図のように肘を曲げた際にできるシワの外側周辺(上腕骨外側上顆)や前腕に痛みが出現します。
具体的にはものを掴んで持ち上げる、タオルを絞ることなどで肘の外側や前腕に痛みが出ます。
3 テニス肘の原因
手や指の使いすぎ、オーバーユースが原因として考えられます。
前述の通り手首や指を伸ばす筋肉は上腕骨外側上顆に集中します。
具体的には、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、総指伸筋が上腕骨外側上顆に集中して付着しています。
手や指のオーバーユースによって負荷がかかり、筋肉の付着する部分である腱に変性が起き、痛みが出現します。
特に短橈側手根伸筋という筋肉が発症の原因となることが多いです。
この変性は年齢を重ねるとともに起きやすくなっており、40.50代の方が多く発症します。
4 ご家庭での対処法
① 休む
PC作業が多いかたは手首を置く場所にクッションをおいて負担を減らす。
可能であれば重いものを持つ作業を少しでも減らしましょう。
② 安静
テーピング、エルボーバンド、サポーターなどで動きを制限したり患部への負担を軽減します。
③ ストレッチ、マッサージ
前述の通り肘の外側には多くの筋肉が集まっています。
手首のストレッチや前腕のマッサージを行うことで筋肉の緊張を軽減し、肘への負担を軽減します。
次回の記事で具体的なセルフケアについて紹介しています。
④ アイシング
急性期で熱感や腫れがある場合は患部を氷や保冷剤でアイシングを行い炎症を鎮めることも大切です。
5 まとめ
テニス肘の予防はこまめなセルフケアと筋肉に負担をかけない事が大切です。
当院では鍼やトリガーポイントマッサージなどによって筋肉を施術しテニス肘の予防や症状の軽減などを図っています。
次の投稿では実際に当院ではテニス肘に対してどのような施術を行い、どのようなセルフケア方法があるのか具体的にお伝えしていますので次回の記事もぜひご覧ください。
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